ABSと一般社債の違い
21 12月 2011◆3.ABSと一般社債の違い
99年9月3日の日本経済新聞に「資産担保証券ABS、今年度1兆円突破へ」、「社債の15%に相当」という記事が大見出しで掲載されました。その後、2000年4月に興銀証券がまとめた1999年度の国内企業による公募のABSは9,749億円に達し、私募によるABSの数千億円を加えると1兆円を突破したことは明らかになりました。ABSの発行は97年度3,30億円、98年度9,66億円と急速に膨らんでいます。主なオリジネーターは、信販会社やリース会社、自動車ローン会社と解説されています。また、証券化の動機として財務指標の改善を挙げ、低格付けの会社が積極的に利用していることからもわかるように、企業の信用力が直接的に発行する社債の格付けに影響しないABS発行が有利と分析されています。本来、割賦債権やリース債権などは企業の資産です。それらを資産として利益を上げるのが企業活動で、その利益を担保に通常は社債が評価されます。しかし、企業活動は複雑多岐にわたり、それらを分析評価する格付機関やアナリストにしてもあくまで外部からの数値的評価分析という限界があります。そこで、資産を分別して、個別の資産のキャッシュフローや価値を担保に評価し直して、資金調達しようとするのがABS発行の狙いです。ABS発行では個別の資産を特定することが求められますので、「特定債権法」や「SPC法」でも「特定資産」という表現がなされています。ですから、「特定資産」に絞る過程で、個別の資産を整理・分析しておかなければなりません。金額だけで債権譲渡したり、債務者やユーザー利用者などから得られるキャッシュフローの分析なども怠ることはできません。